うちだのつづり

暮らしの中で気づいたことをちょこちょこつづっていくブログです。

読書感想文

どうしようもない大人たちのしわ寄せを受ける兄弟のドラマ

カナダのテレビドラマ「アンバーアラート失踪者特捜班」を観たのでした。 アメリカ版の元ネタかなと思って気軽に観だしたら、どっぷりハマってしまいました。 アメリカ版とはまったく違う内容で、社会問題が次から次へと兄弟の身に降りかかるとても重いテー…

マイノリティの困り感は社会が責任を負うべきこと。らしい

今回は、『社会を扱う新たなモード』(飯野由里子・星加良司・西倉実季 生活書院 2022)の感想をつづります。 障がい者などの「マイノリティが経験する不利や不便さ、生きづらさの原因」について「障害の社会モデル」の視点から、手厳しく社会を批判する一書…

子どもを犠牲にした代償は大きいよ

昔から、暇さえあれば映画を観ている私ですが、ひさびさにガツンとくるセリフに出会ったので、今日はこれについて少しつづります。 観た映画は 「スネークヘッド」(2021米)です。 filmarks.com ネタバレしないように内容は詳しく書きませんが、密航をなり…

オジサンは「チェンソーマン」が好きなんだ

私が中学生の頃の話です。 帰宅のためのバス停で二人でバス待ちしていた際に友人が神妙な顔つきで、 「オタクって知ってる? 俺たちのことらしいよ」 と、訊いてきました。 きっとアニメ雑誌や深夜放送から仕入れてきたであろうネタなのでしょうが、初めて聞…

小説『三体』読了で自分を振り返る

www.hayakawa-online.co.jp 小説『三体Ⅲ 死神永生』を読み終わりました。 そこで三部作読後の感想です。 小説『三体』は、全体的に重苦しい雰囲気が漂っているSF長編大作です。 一貫して、未来に確実に到来する圧倒的な脅威を前に右往左往する人類の姿が空想…

『三体Ⅱ 黒暗森林』は我が人生とひどく重なる

www.hayakawa-online.co.jp オモシロすぎてページを繰る手を抑えられず老眼にむち打って読んだSF小説『三体』三部作の2作目の思いをつづります。 2作目では、SF界では有名なアルファケンタウリ星系の宇宙人が圧倒的な科学軍事力でもって地球を侵略しに来るこ…

SF小説『三体』に浸れば癒やしとなるか

www.hayakawa-online.co.jp 『三体』 久しぶりにハードSF物を読んだのですが、これが実にオモシロい! 科学知識がくどすぎず、人間ドラマもしっかりあって、それでいてテンポよく、ぐいぐいと物語に引き込んで、次から次にページをめくってしまう。 さすが話…

地獄を生きる人はわりといるようだ

www.eastpress.co.jp 上記の本を読んだので、読後の思いを少しつづります。 一言でいうと、この本は、 戦いの記録だ。 そう受け取りました。 著者は、孤軍奮闘、努力と根性で、ブラック企業勤め、悪徳精神科病棟暮らし、差別的生活保護担当課の監督下など、…

DV加害者への風当たりは強い

www.kongoshuppan.co.jp www.akashi.co.jp 我が家がDV家庭だったこともあり、DV加害者について勉強しようと上記の本を読みました。 どちらもDVについての専門的な本であり、加害者のこともとても詳しく書いてありました。 勉強になったのはありがたい…

トラウマの海から脱出するのはひどく疲れる

先日、トラウマインフォームドケアの講演を視聴しました。 トラウマを負った人のケアに一番役立つことは、トラウマについて詳しくなることです。 詳しく知れば、害になることをしないし、益になることができるからです。 久しぶりに触れたトラウマインフォー…

宗教2世問題はどの宗教でも起きてる

www.shobunsha.co.jp 先述の講演で紹介された本の感想をつづります。 複数の宗教の2世当事者の手記と、複数の識者の意見がまとめられている一冊です。 手記には、当事者ごとのさまざまな苦労が記されていました。 それぞれの体験に共通するのは、親たちが一…

小説「機龍警察」感想文

「機龍警察」シリーズは、早川書房から刊行されている月村了衛作の小説です。 機龍といえば、私の中ではメカゴジラなんですが、 本作では、最新型の人型兵器である機甲兵装、つまりガンダムみたいなロボットのことです。 本書は、それを配備した警視庁特捜部…

アサーティブはいい関係を築くためではないこと

www.cranebook.net 上記の本を元に、アサーティブについて少しつづりたいと思います。 「私メッセージ」で有名なアサーティブは、ネット検索するとたくさん出てきます。 そのほとんどが、いい人間関係を作れるとか、相手を傷つけずに断れるとか、いい関係を…

当事者運動は人権運動だと思ったこと

shinsho.shueisha.co.jp 上記の本を読みました。 古来、世の中には、 虐げられている人 抑圧されている人 ぞんざいに扱われている人 が必ず、たくさんいます。 そして一様に、その人たちの気持ちや望みはその人たち以外に聞き届けられません。 なぜなら、 声…

心の病を脳科学的に治療する研究が進んでいる

gendai.media 上記の本を読みました。 いわゆる心の病について脳科学の研究を網羅した一冊です。 脳科学は昨今、急速に研究が進み出した分野だそうで、おかげで心の病についても脳科学的な研究がぐいぐい進んでいる印象です。 中でも、印象に残ったのは、 ト…

発達障害の人の世界の感じ方が分かる本

www.sbcr.jp 上記の本を読みました。 私は、発達特性を持つ友人が多く、相談支援もたくさんしてきました。 それなので、 感覚の問題のため、社会参加しづらくなること。 にもかかわらず、無理して社会参加するので、とても疲労すること。 などは知っていまし…