上記の本を読みました。
私は、発達特性を持つ友人が多く、相談支援もたくさんしてきました。
それなので、
感覚の問題のため、社会参加しづらくなること。
にもかかわらず、無理して社会参加するので、とても疲労すること。
などは知っていました。
でも、
感覚の問題がどのように脳機能との関連で起きているのかについては、詳しいことは知らなかったんです。
知ろうとしても、研究が進んでいなかったんです。
今回、この本を読んで、感覚・知覚についてとても研究が進み、感覚の問題がだいぶひもとかれてきた印象を持ちました。
おかげでだいぶ詳しくなれました。
印象に残ったのは、分解能の高さの話です。
発達特性には、時間や空間を分解する能力の高さがあるのだそうです。
今風にいうと「解像度が高い」ってなるでしょうか。
本では、時間の分解能について書いてありました。
蛍光灯の瞬きが気になってしまうのは、時間の区分がものすごく細かくできるので、一秒間に100回以上の素早い点滅ですら見分けられるからだとか。
一般的な人には(点滅が素早すぎてもはや)ずーっと点灯しているように見えますね。
こんな感じで、分解能が高くて、だから知覚の感度がものすごく高い状態で暮らしていくのはとても困難だというのは予想できます。
本には、いつもと違う道の例が挙がっていました。
いつもと違う道を嫌がるのは、その道がいつもの道と違う点が多すぎて、まったく未知の世界に放り込まれたような気持ちになってひどく困惑してしまうからなのだそうです。
だから、同じ道を行こうと(必死に)こだわる。
いわゆる発達特性の「こだわり行動」には、脳科学的根拠があったのだと腑に落ちました。
こんな風に、感覚の問題について事例と研究成果が網羅してある一書です。
読後、発達特性を持つ人の苦労がちょっとばかり分かってきた感じです。
なにより、発達特性の人の立場に身を置きやすくなった思いです。
これは幸いです。