昔から、暇さえあれば映画を観ている私ですが、ひさびさにガツンとくるセリフに出会ったので、今日はこれについて少しつづります。
観た映画は
「スネークヘッド」(2021米)です。
ネタバレしないように内容は詳しく書きませんが、密航をなりわいにしているニューヨークのマフィアの話です。ジャンル的にはクライム映画ですね。
そこで出てくるセリフがこれです。
「子どもを犠牲にした代償は大きいよ」
このセリフを聞いた途端、ガツンと頭に一撃を食らった気分でした。
これまで私は、親からひどい仕打ちを受けてきた子どもの立場で親子関係を捉えてきたのですが、
このセリフの立場に立てば、
親にも相応の代償が課されているとなるのです。
つまり、子どもにひどいことをした親はそれだけでもう十分に不幸になっているということ。
見かけはどうか知らないけど、決して幸せにはならない。
生きるためにそういう代償を払っている。
確かに、親からひどい仕打ちを受けた人の体験談を見聞きすれば、穏やかに幸せな老後を送っている親は見かけません。
一様に不幸です。
なるほどと思いました。
親は代償を払っている。
ならば、子どもが親への復讐のために自分の人生を使うのはもったいないことです。
奪われた自分の幸福を親から取り戻そうと躍起になるのはおろかです。
だって、すでにもう親は不幸なんだもの。
そもそも親たちは私たちが欲しいものは持っていないのだもの。
それが代償の人生だもの。
こう考えると、私たちの親は、
憐れみこそすれ、憧れる存在ではなさそうだ。
そんな気持ちになりました。
正直、子どもの自分だけが損している気分だったのですが、おかげで心が軽くなりました。
また1つ呪縛が解かれて自由になった気分です。