上記の本を読みました。
いわゆる心の病について脳科学の研究を網羅した一冊です。
脳科学は昨今、急速に研究が進み出した分野だそうで、おかげで心の病についても脳科学的な研究がぐいぐい進んでいる印象です。
中でも、印象に残ったのは、
トラウマ記憶を消せる薬が開発されるかもしれないという研究です。
体験したことがトラウマ(記憶)となるのは、出来事と恐怖感がひっついているからで、うまく研究が進めばそれを分離できるかもしれないのだそうです。
それは、「恐怖の記憶」というタグと紐付けされている記憶の、そのタグを外す感じだそうです。
例えば、アイスクリームの映像+匂い+犬に吠えられた+怖い+アイスクリームを落とした映像でひとまとまりになった記憶から、「怖い」というタグを外すと、単純にビックリしてアイスを落とした記憶になる。そんな感じだそうです。
命の恐怖を味わった体験も、いわゆるただの記憶として覚えておかれるようになりそうです。
記憶を忘れ去るわけではないので、記憶は危険の予防としてあるいは危機からの脱出法として活用されるでしょう。
とはいえ、
複雑性PTSDを引き起こす、長期にわたって受けたトラウマの研究は、まだ端緒についていないとか。
このことは、ちょっと残念ではありますが、脳科学的な原因の究明と治療法の開発に希望を持ったのでした。