我が家がDV家庭だったこともあり、DV加害者について勉強しようと上記の本を読みました。
どちらもDVについての専門的な本であり、加害者のこともとても詳しく書いてありました。
勉強になったのはありがたいのですが、どうにも不快な気持ちが残ったので、今回は、このあたりの思いをつづります。
何が不快なのかというと、2書とも、DV加害者に対する嫌悪感というか、侮蔑感がじわりとにじみ出ているところです。
加害者は、病気でも障害でも、虐待を受けたからでもなく、その人間性が悪だからDVするんだと言わんばかりなのです。
一般的に、支援職が問題行動を取り扱う際は、人間性とは切り離します。
その人の人間性が問題でではなく、その人の行動が問題だというコンセンサスがあるからです。
でも、2書は、その常識を打ち破っているのです。
まさに、一貫して人間性を問題にしている!
驚きです。
こうなると、
著者の人間性に興味を持ってしまう私です。
とりあえず出版年を調べたら、この原稿は、2000年代初頭に書かれたようです。
著者は、その時点ですでに20年DV問題に取り組んでいたとのことなので、1980年代頃の時代状況の中で活動し、著作したと考えられます。
当時は、男尊女卑が今よりひどく、加害男性を擁護し被害女性の方を非難する社会でした。
私は、その頃に生まれ育ったのでこの社会状況をよく知っています。
著者は、そんな四面楚歌の状況で、孤軍奮闘、悪戦苦闘したのでしょう。
そうであれば、
加害者とその味方に対して非難的になるのも無理からぬことと思い至りました。
改めて、DVは家族だけではなく社会や支援者をも巻き込んで全員に傷を負わせるのだと再確認しました。
そして、
我が青春の1ページである日本少林寺拳法の教えの「力愛不二」をふと思い出すのでした。