うちだのつづり

暮らしの中で気づいたことをちょこちょこつづっていくブログです。

感情とうまく付き合えないので困ってしまう

虐待などで心的トラウマを負った人が一番困るのは、自分の感情の調整が利かないことだと思っています。

 

この状態がどんな風かと私の経験も含めて書くと、

嬉しくなったらなったで、テンション爆上がりで、寝付かれずそわそわして、下手をしたら衝動買いや事故やケガもしてしまいます。

 

悲しくなったり、不安になったり、落ち込んだりしても同様で、生活すべてがその感情一色に塗りつぶされてしまいます。

 

本来なら、そこまで高ぶらなくてもいいし、いいこともあるのだからそんなに嫌な気持ちに浸らなくていいのにも関わらずです。

 

つまり、

良いも悪いも強い感情を適度な強さに調整できないので、自分の感情とうまく付き合えないのです。

 

そもそも、

感情の出退には原則というのがあって、感情は出現すれば自然と消退し、逆に抑え込んだり無視したりすると後からはげしく強く暴れ出します。

こういうことから、感情をちゃんと出すことが感情調整の肝なのですが、虐待などで心的トラウマを負った人は、自分の感情をちゃんと出す技術が未熟なのです。

そのために、自分の感情とうまく付き合えないのです。

 

一般的に、自分の感情を調整する技術は親との関わりの中で身につけていくと言われています。

例えば「痛いの痛いの飛んで行け」のように、親から痛みに寄り添ってもらえば、子どもは感情を安全に出せます。

こんな経験を繰り返すことで、

(ちょっと辛いけど)激しい感情も慌てず落ち着いて出せば(感じれば)、じょじょに消退していくことを子どもは学びます。

 

親から感情に寄り添われた子どもは、長じれば、親がしたように自分の感情に寄り添いなだめ感情を適度に鎮めるることができるようになります。

 

ところが、

日常的に子どもに心的トラウマを負わせる親は子どもの感情に適切に寄り添うことをやりません。

そのため、子どもは激しい感情の嵐の中に置き去りにされてしまい、なんとかやり過ごすために一人悪戦苦闘することになります。

そして、そうして編み出した解決法は、感情をなくすことだったり、依存や暴力など極端な行動で強い感情を発散することだったりします。

 

そこで、

感情調整の術を身につける機会が提供されないまま大人になった子どもは、どうやって技術を身につければいいかと考えます。

私は、いっそ自分が自分の親になることだと思っています。

 

自分が理想の親になって自分自身に寄り添い、ねぎらい、いたわり、気持ちに共感し、穏やかに感情を味わうことを支えていくのです。

そして、できればこの作業を手伝ってくれる信頼できる大人を探し出すことです。カウンセラーなどの(ウデのいい)専門職でもいいし、心許せる友人や親密な人がその候補になります。

 

人はいつでも学べます。変化できます。私はそう確信しています。