トマス・ゴードン(Thomas Gordon)博士は、Parent Effectiveness Trainingで、
親子関係の障害物となるコミュニケーションについて、12個指摘しています。
親が、このコミュニケーションをとると、子どもは親とコミュニケーションをしなくなるのだそうです。
それは、親を信頼の置ける大人として扱わなくなることを意味します。
12個のうちには、
命令、分析、レッテルを貼る、解決策を与える、警告、あざける、安心させる
などが挙げられています。
ここで、私の親のコミュニケーションについて確認したいと思います。
先述したように、
私の親は、私が困っているときに、その分析結果をまったく他人事のように一方的に告げるだけで、問題解決には一切関わらない人でした。
あるいは、私のことをまるきしの子ども扱いで、安心しなさいとただただ慰めるだけのな人でした。
あるいはまた、自分が思いついた解決法を私に押しつけて、それを実行しない私を責めたり、実行力がないとして私を侮辱したりする人でした。
以上、明らかに障害物ばかりのコミュニケーションです。
ゴードン博士の指摘の通り、私は10代の頃にはもう親とコミュニケーションをとらなくなりました。
私たちのコミュニケーションは、障害物のために立ちゆかなくなってしまったのです。
さて、
障害物を取り除き豊かなコミュニケーションを可能にするゴードン博士の技法は、日本では「親業」として知られています。
私の親業の先生は、親子関係で悩む親はこの技法を「知らなかっただけなんだ」とよく口にしていました。
私の親は知らないままでした。
親が親業と出会っていれば、私たちの関係は建設的になったのだろうかと思わなくもありません。