子育て支援は、一般的に親の子育て負担を減らす方向でなされています。
一時預かりとか、子育て費用の軽減や助成ですね。
子育てへの関わりを一部、一時的に代行することで、親の負担を減らす。それが子どものためになる。
という支援の形は、子どもにとってはいわば間接支援です。
このとき忘れてならないのは、
この支援の形は、親が子育てができている! ことが前提だということです。
ところが世の中、
子育てがままならない状態の親も少なくないんです。
病気やケガや障害、DVなどの影響で親の育児する力が下がり、子育てが思うようにできなくなっている場合です。
この場合の子育て支援となると、だいぶ様相が変わってきます。
前者は少しばかりの手助けですみますが、後者は親の支援をしっかりやりつつ、同時に子の支援にも取り組まねばなりません。
子どもには、保護や養育が不足しているからです。※親と同様に
こんなだから、親も子も間接支援ではおぼつきません。
丁寧な直接的な支援がたっぷりしっかりと必要です。
つまり、
親子まるごと支援です。
さて、両者は子育て支援としては同じ分類だけれども、実質は大きく異なります。
だから、両者を混同しないようにすることは重要です。
私はずっと後者の領域で仕事していましたが、以前、縁あって前者の子育て支援機関と関わったことがあります。
まったくうまくいきませんでした。
職場の文化というか職員の感覚というか、利用する親子の状態とかが、まったく違うのです。
一言で言うと、支援がいらないほど健全なのです。子どもも親も!
私は自分の役目を見失ってしまいました。
健康上の理由で程なく職を辞したのですが、同じようなことが他の支援者にも起きるように思えます。
この経験から、どちらの子育て支援が自分の領域なのか、知っていることは大事だなとつくづく思ったのでした。