うちだのつづり

暮らしの中で気づいたことをちょこちょこつづっていくブログです。

ケアを取引する親子だった私たち

私自身の親子関係について振り返るとき、私たち親子にはケアの取引があったように思えます。

 

親は、子どもである私の体が健康に育つために、衣食住や医療というケアを提供しました。

一方、子である私は、親に心のケアを提供しました。

親の心が安心するように。あるいは親の気持ちがすっきりするように。

望むことをします。望むような姿になります。

 

生命を養ってほしい私のニーズと、安心がほしい親のニーズとが合致していたたようです。

 

一見、よさげな取引のようですが、これよくないんです。

 

実は、親は、子どもに安心を与える役目もあるからです。

親が子どもから安心させてもらう、心のケアをされるのは基本的に控えた方がよいことなんです。

 

子どもは、絶対的にケアを受ける立場だからです。

身も心も。

 

そうしてケアされる体験をたっぷりと蓄えて、社会や他者への信頼や愛着を育てて、

大人になってから、他者のケアを行うのが原則だからです。

 

もし、親から安心を与えてもらえない、気持ちを気遣ってもらえないまま大きくなったら、

心の奥底に何かしら不安を抱えた、自分の気持ちが分からない、人の気持ちも分からない大人になってしまいます。

 

私がそうであるように。

 

こんなことから、

不安を抱えて孤立した子育てにならないように、親へのケア・サポートがそこかしこで注目されてきていることは歓迎です。

 

私の親も当時十分なサポートがあれば違ったのかなと思うところです。