「わたしメッセージ」で有名なゴードンメソッドに出会ったのは、20年ほど前です。
「わたし」を主語にした物言いと「あなた」を主語にした物言いでは、印象が大きく違うというのは衝撃でした。
加えて「問題を持つ(抱えている)」のは誰か?
※平たく言うと「困っているのは誰か?」になります。
という視点は対人関係を考えるのにとても助かっています。
でも、当時どうにもうまく理解できないことがありました。
行動の四角形です。
今回、下記の本を読んですっきり分かりました。
少し説明すると、
私たちは、相手が言ったりやったりしたことを受けて、喜怒哀楽などいろいろな感情を持ちますが、とりわけ嫌な気分になったときには、この行動の四角形を使って、私は次にどうすればいいか? を考える手助けとするのです。
どうやるかというと、
まず、
私と相手の間に、行動の四角形の窓を置きます。
次に、
それを通して見た相手の言動から「問題を持っているのは誰か?」を見分けます。
その結果は、
あぁ、早口で怒り気味に話してきたからこの人は(相手が)今問題を持っているんだなぁ。
だったり、
あぁ、今自分はこの人(相手)の話を聞いて嫌な気分だから私が問題を持っているんだなぁ。
だったりします。
最後に私の行動を決めます。
結果が前者の場合(相手が問題を持っている)は、相手の話を共感的に聞きます。
後者の場合(私が問題を持っている)は、私が相手に話をして(自己主張・アサーティブ)、相手の言動が私に与える悪影響を「わたしメッセージ」で伝えます。
ちなみに、逆をやると関係はマズくなります。
不登校の親が問題を持っている子どもに対して説教したり、自分の気持ちを分かってもらおうとして関係が悪くなるのはこのせいです。
問題を持っている相手に対しては、まずしっかり相手の気持ちや考えを聞かねばならないのです。
こんな風に、
私は今、聞けばいいのか伝えるべきなのか? 両者の違いが適切に分かる便利なツールが行動の四角形なのでした。
これを踏まえて私のことです。
私の親は年がら年中問題を持っていたので、どうしても私が聞き役やアドバイザーになり、ときには代理人として問題解決してきました。
今でいうヤングケアラーですが、私が問題を持っていなかったかというとそれはまったくの見当違いで、自分が実は大きな問題を持っているんだということや自己主張すること(助けてと言う)を知らなかっただけなんです。
だから、
誰も私が問題を持っているとは知らず、親孝行するよい息子だと思っていたのでしょう。
そのために、
誰も私を助けてくれなかったし、私が問題を持っていることや自己主張することを教えてもくれなかったのでしょう。
こういうことから、私の課題は自己主張になります。
適切に自己主張する練習を未だにやっていますが、なかなかに難しい課題です。