NHKのこころの時代という番組で若松英輔氏は、「宗教者の言葉」についてこう発言しています。
宗教の側というのは、どれだけの恐怖というものを、相手に与えるのかを考えることなく、発言するべきではないんだと思うんですよ。相手の心に刃を突き付けるようなことは絶対にしてはならない。
「宗教者の言葉」は、その言葉が向かっていく相手に対して、恐怖を与える刃となることを強く戒める指摘です。
一般人の「言葉の刃」ですら人を大きく傷つけるのに、魂のことをする「宗教家の言葉」であればなおさら、刃は魂を深く傷つけます。
そのことを、宗教家は強く肝に銘じてほしいと思います。
宗教家であった私の両親の言葉は、
重い刃として、いつも私に突きつけられました。
とりわけ、
時代劇の台詞をそのままコピーした脅しが基調の片親の物言いは、時代劇の悪党のそれと全く同じでした。
一族郎党(許すまじ)!
そんな〇〇(身体の部位)斬って捨てろ!
火をつけて燃やしてやる!
どうなるかよく考えてものを言え!
後悔してもワシは知らんぞ! 勝手にせい!
子は三界のくびきじゃのう!
※子どもは親を過去現在未来に渡って苦しめる呪わしい存在だ。
あまりにもナチュラルに日常会話の中に織り込まれた圧倒的な暴力性をはらんだ言葉の数々に飲み込まれた私は、襲来する言葉の刃から逃れることはできず、私は親の意向に従うしか、私の命を守り、傷ついた魂が崩壊するのを防ぐすべはありませんでした。
呪詛という言葉があります。
私はまさに呪詛されていたのでした。誰あろう実の親から。
自分の言葉が呪詛にならないように、宗教者(親は)は気をつけてほしいものです。