所属タレントを「君づけ」で呼ぶほどにジャニーズ好きな私ですが、ジャニー氏が引き起こした問題にはとても心を痛めています。
世間では、放送局や報道の姿勢や法の不備の問題か盛んに取り沙汰されていますが、心理支援の世界では、被害者が加害者に取り込まれるグルーミングが注目されています。
グルーミングとは、加害者が被害者を手なずけて取り込む行為です。
イギリスBBC放送は、自社のドキュメンタリー番組「Predator」(捕食者)で、この問題を取り上げました。
言い得て妙な題名です。
「捕食者」にとって年端も行かない子どもを捕らえて手なずけて自分の物にするのはさほど難しいことではないのでしょう。
それほどに、捕食者は狡猾な手口を使うのです。
さて、
捕食者が行うグルーミングですが、私たちにも及んでいるかもしれません。
というのも、
私たちは、問題の報道を境にジャニーズの人たちをそれまでの華やかな夢の存在から一転して、彼ら所属タレントを被害者、事務所関係者を加害者として見るようになっているように思えるからです。
あの子はどうだ? あの人はどうだ? あの人はこの件にコメントしたけど、あの人はしてないぞ。
とこんな感じで、まさに問題一色。
こうなるともう、私たちはまさに捕食されています。
では、
私たちはこの卑劣な捕食・グルーミングにどう対抗すればいいんだろう?
わりと一生懸命に考えてみたところ、
取り込むという捕食とは別のベクトルの行為が有効じゃないかと思いつきました。
別のベクトル。
それは、「分ける」です。
加害の糾弾と被害救済・再発予防対策はしっかりやりつつ、
被害とその子の業績、能力や将来とを分ける。
出来事と、所属タレントの評価、芸能の質、作品の評価とを分ける。
とこんな風に性加害問題のことと、それ以外のことを分けるのです。
それは、善と悪を分けるということかもしれません。
加害行為やそれを隠すこと、なにもしないことの悪と、現在や過去の所属タレントたちが芸能で人々に喜びを与えたいという善とは分けて考えるべきです。
そうしないと、善が悪に捕食されてしまいます。
善と悪を分けて、私たちは是非よきことをしたいものです。
とりわけ、
一ファンである私たちには、今まで通り彼らが与えるエンタテインメントを楽しむことが最善のように思えるのでした。