TA・交流分析の人格適応論という理論には、人がどうやって生きていくかのパターンが6つ示してあります。
そのうちの「創造的夢想家」が興味を引きます。
ちなみに私もこのパターンを持っています。
極めて雑な説明をすると、
創造的夢想家とは、自分たちのことで手一杯な両親の元で育ったために、両親にはなにも求めず、むしろまず両親を援助し親たちの欲求を叶えることで、自分の世話をしてもらうゆとりを持てるようにし、
後回しにされた自分の欲求は、空想の世界に耽溺することで充足させるパターンを身につけた人です。
大人になると、多くの時間を一人でいて、空想に浸りいろいろアイデアを思いつきながら実際には実行にうつさず、普段積極的には人と関わらないのに、いざ関わるときはまさにかつて親にやったように援助的になります。
持ち前の空想力が思いやりとして発揮されるからです。
さて、
この創造的夢想家のありようは昨今話題のヤングケアラーを彷彿とさせます。
加えて、ドラマ「アンという名の少女」のように、逆境の中にいる子どもは、空想の世界に逃げ込んで心の安定を図るのですが、この点、創造的夢想家と通じる感じがします。
となると、人格適応論は、ヤングケアラーや逆境を体験した人の役に立つかもしれません。
人格適応論によると、創造的夢想家がよりよく変化するためには、アイデアと行動を結びつけることが効果的とされています。
どうすれば自分のアイデアが実現できるだろうかと考えて、空想を現実化する段取りを考え、そして実行してみる。
夢想癖・想像力を創造力・行動力に変換させるのですね。
私も実践していますが、確かに人生がなかなかおもしろくなります。
きっとそれは、
逆境体験を人生の糧にする作業でもあるからでしょう。