うちだのつづり

暮らしの中で気づいたことをちょこちょこつづっていくブログです。

支援は境遇じゃなくて困り感によりそって

子ども・若者や困窮者支援の現場で心理支援していた私が思うに、

どんな風に手助けすればいいかということは、

その人の境遇よりも、どんなことにどんな風に困っているかといういわゆる「困り感」を取り上げて考えるものだろうということです。

 

境遇というのは、例えば、不登校状態とか、ひきこもり状態とか、困窮状態とか、ヤングケアラー状態とかっていう風に、客観的な観察によって分類されたところの状態です。

 

では、その状態・境遇であれば、誰もが同じような手助けがいるかというとそうとは限りません。

学校には行かないけど自分の望んだ道を歩んでいる人に登校支援は逆効果です。

 

未治療の身体の病気のために外出がおぼつかなくなっているひきこもり状態の人を長期間見守るのはやってはなりません。早めに病院につなぐことが大事です。

 

会社の倒産で不就労となった親のために子どもが困窮状態にあるのなら、子どもへの支援に加え親の就労支援にも力を入れるべきでしょう。

 

負荷は大きいけれどなんとかこなせているヤングケアラーならば「何かあったら言ってね」式のいわゆる見守りがいいでしょうし、親の精神状態に振り回されているのならば別居・公的保護も選択肢に入ってくるでしょう。

 

そして、メンタル的な問題を抱えていたとしても、集中的な心理ケアが必要な人もいれば、それよりも寄り添ってくれるコミュニティに参加する方が手助けになる人もいます。

友愛が基盤となっている当事者グループが注目されているのは後者が理由ですね。

 

手助けの形は人それぞれです。

それは、困り感は人それぞれということです。

くれぐれも相手の境遇に惑わされないように、

その人を見て、その人の困り感の本質に目を向けて、手助けすることが大事だと改めて強く思う近ごろなのでした。