私は、長らく不登校やひきこもりの世界にいましたが、そこでなにかにつけ口にされるのが、
「自己肯定感」でした。
自己を肯定する感覚。
ってことですね。
支援現場では、
自己肯定感が低いことは問題にされます。
問題の根源は何でもかんでもこれにされます。
そのため、自己肯定感を上げることが支援の目標だったり、目的になったりします。
でも、これ間違いなんです。
自己肯定感の第一人者の高垣忠一郎氏は、
自己肯定感は「自分が自分であって大丈夫」ということとされています。
つまり、
まるごとの自分を認める。
とか、
そのままの自分を拒否しないで肯定する。
とかってことです。
ということは、
自己を肯定できない自分もそのまま認めるってことになるんです。
それは、
自己肯定感が低い自分。
そんな自分も認めて、愛し慈しむ。
それが、自己肯定感があるってことなんです。
ところが、
血液検査の数値みたいに、標準値以下だから自己肯定感を上げないとならない。
そのためには、特効薬の「褒める」をどんどん投入しよう。
という感じで、
自己肯定感を上げる手段として褒めまくる支援方針がそこかしこで盛り上がっています。
本来、
自己肯定感は上げたり下げたりするそんなもんじゃないんです。
そういう概念じゃないんです。
仏教にはありのままを受け入れるという思想があります。
あるがままの姿に真理が現れていると考えるからです。
自己肯定感は、この思想に近い感覚だと思います。
ありのままでOK。
この心境に至ることが私たちの目指すとこのように思えます。