私は、聞風坊の名前でひきこもり当事者活動をかれこれ20年近くやってきたのですが、数年前から徐々にフェイドアウトしています。
今日はその理由についてつづります。
私が、当事者の実態を社会に届ける活動つまり当事者活動を始めたのは、ちょうどひきこもりが社会で話題になり出し始めたころ2000年代初頭です。
その頃は、
いわゆる「当事者(とうじしゃ)」のことがいろいろと誤解されていたので、それを解こうとしたのが一番の動機でした。
どんなふうにに誤解されていたかというと、
ひきこもりは、
ニートだ!
若者だ!
不登校の延長上にある、成れの果てだ!
なまけだ!
大人になる前段階のサナギだ!
長男がなる!
男がなる!
コミュ障だ!
病気だ!
働いていないだけだ!
でした。
語弊を承知でいうと、これ全部誤解なんです。
厳密に言うと、これらに当てはまる人もいれば当てはまらない人もいる。となります。
ひきこもりはほんとに多種多様。1つの定義に当てはまるとは限りません。
人それぞれの姿でこもっているからです。
だから私は、一貫して
一概にそうとは限らない。一人一人多様なのだから、その人をきちんと見よう。
と、いうことを言い続けてきました。
あれから20年!
昨今では、全国的に当事者運動も安定して盛んで、マスコミにもきちんと取り上げられるようになってきましたし、
医療も福祉も就労も支援先としてだいぶアテになってきました。
この20年、全国の当事者たちが、自己犠牲をいとわず社会に訴えてきた成果だと思っています。
こんな状況に世の中が変わってきたので、
つまり、
誤解もだいぶ解かれ、実態を反映した正しい評価にもとづく支援もできるようになってきたので、「私の役目は終わった」との思いが、そこはかとなく去来したのが引退の理由です。
今のところ、社会的に意義ある活動からは遠いところに身を置いて、半世紀酷使してきた自分の心と体のケアに専念しています。
出会った皆さんに感謝の思いを抱きながら。