うちだのつづり

暮らしの中で気づいたことをちょこちょこつづっていくブログです。

ケアラーの問題はケアされないこと

ヤングケアラーで問題とされるのは、子どもがケアをすることです。

 

でも、それよりも問題なのは、十分なケアを受けずに子ども時代を過ごしてしまうことと私は強く思っています。

 

とりわけ、

心を育む段階である子どもが心のケアをされないことは大問題です。

 

心のケアの基本のキは、親が子どもの気持ちを言葉にしてやることといわれています。

例えば、

子どもが眉をひそめたら、どうしたの? 困ったの? と眉をひそめながら尋ねたり、

子どもが転んで泣いていたら、あら、痛かったねと言って痛いところをさすったりして。

 

親からのそういう応答があることで、子どもは自分の身に何が起きているのかを察知できるようになり、

自分の今の気持ちを言葉にできるようになり、

心が乱れたときに、どうすればいいのかを身につけていくのです。

 

一見、なんのことはない応答に思えますが、

これをやるには、親の気持ちが安定していることが重要なんです。

 

だからもし、

悩み事や病気などで気持ちが安定してないときは、とても難しくなります。

極端な場合、親は自分の気持ちの対処に精一杯で、子どもの気持ちに意識が向かなくなります。

あげく、子どもを親の気持ちを整えるために利用することすらありえます。

こういう応答が常態化すると、子どもは自分の気持ちを知らぬまま大人になります。

 

ケアすることよりも、ケアされないこと、ケアの欠乏こそ問題と強く思うのはこういうことからなのです。

 

とはいえ、

欠乏したケアは代替者で補えます。

私たちは、普通の暮らしの中で思いやりのある人とたくさん出会えます。

その人たちとの関わりの中で、心を育むことができます。

 

ケアが欠乏する子どもたち、ケアが欠乏したまま大人になった子どもたちは、他者からたくさんケアをもらえますし、遠慮なくもらっていいんです。