ひきこもる人の親、特に母親は、楽しくお出かけすることが難しいとされています。
家にこもる我が子がいて、楽しくウキウキお出かけを楽しめるはずがありませんものね。
さて、20年ほど前に、アルコール依存症家族当事者グループで聞いた話です。
グループは、普段と違って、少しだけおめかしして、久しぶりにお化粧なんかして、楽しみとして通う場なんだよと聞きました。
ミーティング主体の自助グループでは娯楽はやりません。自分のことを話しメンバーの話を聞いて、自分をよくしていくだけの集まりです。
でも、それがとても有り難かった。
どこにもない、どこもできないことを提供してくれる場だったからです。
きっとその時間は、誰の邪魔もされず自分のためだけに使っていい時間だったからでしょう。
自分の状態に気づき、自分を癒やします。まるでエステや整体みたいに。
自己成長のために自分に投資する時間でもあります。まるで習い事みたいに。
だから、少しおめかしして、少し心弾ませて、新しい自分を手に入れるために私たちは出かけたのでしょう。
確かに私もこもっていたときは、グループだけが外出先でした。
楽しかった。学びも多かった。
そんなこんなで、こもる親にも少しだけ日常から離れた楽しいお出かけ先であればいいなと思うのでした。