親の宗教活動を受け継ぐ存在として生まれてきた私は、宗教2世です。
宗教2世の苦しみの1つは、
それを周囲の誰もが知らないこと。
逆に宗教2世は幸福な存在であると誤解していることです。
どうしてそうなったのか? 今日はそれを記したいと思います。
たいがいのことには、いい面と悪い面があって、それは宗教についても当てはまるのですが、私にとって2世の立場は、悪い面ばかりでした。
でも、そのことは誰も知りません。
というのも、私自身が私の気持ちを誰にも知られないように頑張ってきたからです。
理由はいくつかあります。
所属する宗教界の大人たちは、親を完璧な尊敬の対象にしていたので、
私も自分たちと同様の気持ちでいると思っていたようでした。
私の気持ちはまったく逆だったのですが、
果たして、そんな環境で事実を口にしたところで幼い私に何の利益があったでしょう?
大人たちを否定する私の本音を口にしたところで、誰が味方になってくれたでしょう?
そういうことから私は、自分が悪者になるのが目に見えていたので、口を閉ざし心を閉ざして大人たちに迎合していました。
一方、宗教界以外の大人たちについてはどうかというと、結局こちらも同様でした。
学校の先生を含む地域の大人たちすべてが、親を尊敬の対象として見ていました。
あんな立派な人が、そんなひどいことをしてるなんて、誰が思うでしょう?
私の周りには、親の味方しかいなかったのです。
そのため、私は誰にも心の内を告げませんでした。
私は独りでした。
こんなことから、
宗教2世の苦しみは、大人たちが親の味方であることが大きく影響しているようです。
親の味方、それは私にとっては「敵」と言ってもいい存在でした。
敵に自分の本音を知られたらどうなることか?
だから、私は誰にも私の本当の気持ちを知られないようにし、誤解されるがままにしていました。
こういうことから、
世の中に私をリアルを知る人は誰一人いないのでした。
誰も知らない孤立の中で幸福をよそおって生きている。
宗教2世の一番の問題のように思えます。